小脳とは?
小脳(しょうのう)は、脳の後ろ側、ちょうど後頭部の奥に位置する重要な器官です。大脳よりも小さいですが、多くの神経細胞を含み、体の動きをスムーズにする役割を担っています。
私たちは歩いたり、走ったり、手を動かして字を書いたりしますが、これらの動作がぎこちなくならず、スムーズに行えるのは小脳のおかげです。また、バランスを取ることや、運動のタイミングを調整するのも小脳の役割です。

小脳の構造
小脳は大きく分けて以下の3つの部分から構成されます。
前庭小脳(ぜんていしょうのう)
主にバランスを保つ機能を担当します。
耳の奥にある「前庭器」という部分から情報を受け取り、体の姿勢や頭の位置を調整します。
脊髄小脳(せきずいしょうのう)
手足や体幹の筋肉の動きを調節し、姿勢を安定させます。
たとえば、歩行中にバランスを崩しそうになったとき、自動的に姿勢を修正する働きがあります。
大脳小脳(だいのうしょうのう)
精密な動作をコントロールします。
たとえば、ピアノを弾く、細かい文字を書く、料理の際に包丁を使うといった繊細な動きに関わります。
小脳の主な機能
① 運動の調整
小脳は、大脳から送られる運動の指令を細かく調整し、スムーズで正確な動作を可能にします。たとえば、テニスのサーブを打つとき、大脳は「腕を振る」という大まかな指令を出しますが、小脳は「どのくらいの力で、どの方向に腕を振るか」といった細かい調整を行います。
② バランスと姿勢の維持
私たちがまっすぐ立っていられるのは、小脳が体のバランスを保つために働いているからです。前庭小脳は、耳の奥にある前庭器からの情報を処理し、必要に応じて体の筋肉を調整し、転ばないようにします。
③ 運動の学習
小脳には「運動の記憶」を作る働きがあります。たとえば、自転車に乗る練習をすると、最初はぎこちない動きですが、何度も練習するうちにスムーズに乗れるようになります。この「動作を繰り返し練習することで上達する」仕組みには、小脳が深く関わっています。
④ 眼球運動の制御
小脳は目の動きも調節します。たとえば、本を読んでいるときに視線をスムーズに動かせるのは、小脳が眼球の運動をコントロールしているからです。
小脳が損傷するとどうなるか?
小脳が正常に機能しないと、さまざまな運動障害が起こります。
運動失調(うんどうしっちょう): 手や足の動きがぎこちなくなり、細かい動作ができなくなる。
平衡障害(へいこうしょうがい): 体のバランスを保つことが難しくなり、まっすぐ立つことや歩くことが困難になる。
言葉の発音が不明瞭になる(構音障害): 話すときの口や舌の動きをスムーズに調整できず、はっきりした発音が難しくなる。
眼振(がんしん): 目が勝手に揺れてしまう。
これらの症状は、小脳が運動の調整を担っていることを示しています。
まとめ
小脳は、運動の調整やバランスの維持、運動学習などに重要な役割を果たしています。日常の動作がスムーズにできるのは、小脳のおかげです。
NEUROスタジオ東京