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脳卒中者の到達運動時のAPA活動

APAs(予測的姿勢制御)とは

APAsは中枢神経系が運動によって引き起こされる予測可能な影響に対抗するためのフィードフォワード機構主な目的は運動パフォーマンスを支援し、バランスの乱れを最小限に抑えること

この研究は以下の目的で行われました

・座位でのリーチ速度が脳卒中患者の両側のAPAsに与える影響

・脳卒中患者の麻痺側と非麻痺側のAPAsを健常者と比較すること

・脳卒中患者と健常者の体感変位を比較すること

方法

脳卒中後の患者10名と健常者8名

肩甲骨面の胸骨中央の高さに置かれた物体に手を伸ばす課題(自己選択速度・速い速度)

前部三角筋・上部/下部僧帽筋・広背筋の活動を筋電図にて記録

結果

・脳卒中患者は健常者と比較し、両側のAPAsに遅延が見られた

・動作速度によるAPAsのタイミングへの影響はなかった

・脳卒中患者は、特に麻痺側でのリーチ時に、より大きな体幹の変位を示した

臨床的意義

・脳卒中者は麻痺側だけでなく非麻痺側もAPAsの遅延があるため、両側の姿勢制御機能の評価が必要

・脳卒中者は異なる速度にAPAsを適応させることが困難であることから、日常生活や環境の変化に

 伴う重心の変化に対応できないことが予測されるため、課題の中にもスピードのバリエーションを

 取り入れる

参考論文

Soraia et al. Anticipatory postural adjustments during sitting reach movement in post-stroke subjects 2014

NEUROスタジオ東京 山岸 梓